2015年03月10日

レミングスについて


【追記】2015.3.17
コメントで指摘いただいたのですが、ここで使っている「レミングス」という表現は誤用です。ただ、その誤用がBlitzでは広まっていること、戦法を言葉でうまく伝える他の一般的な表現がないこと、この2点から特に修正は加えていません。誤用だとわかっていても、わかりやすく伝えるという点では非常に有効なのでとりあえず「レミングス」という表現でいこうと思います。



Wikiを読んでいる方は知っていると思いますが、本家WoTでは全員がひとまとまりになって進軍することを「レミングス」と言います。あまり良い意味では使われておらず、戦術を理解していないnoobが陥りがちな行動だと考えられています。その理由は、スポットされると一方的に敵から狙撃され、簡単に包囲されてしまうからです。何の考えもないまま味方についていくのは危険だというわけです。

一方、マップが狭く車両数の少ないBlitzではやや状況が違います。このブログの戦術マップシリーズにも書いていますが、全員で同じ方向へ向かう作戦は多くの場合有効です。強いて言えば、「カッパーフィールド」と「オアシスの椰子」の2つは2ルートに戦力を分けたほうが勝ちやすいと思います。なお、カッパーフィールドであっても南側の丘(上段)を一気に攻める作戦は有力です。足並みが揃わない危険があるものの、包囲されてジリ貧になるよりもよほど勝ちやすいです(連携がとれさえすれば2ルートに分かれる作戦よりも強い気がします)。

今回の記事ではBlitzにおけるレミングスの強みと危険性についてまとめたいと思います。

まずはレミングスの強みです。

■各個撃破
相手が2ルートに分かれていた場合、レミングスをしたチームは数的有利な状況で戦うことができます。数の少ない相手を一気に撃破できれば、残った敵を数で押しつぶすことも可能です。

■ボトムの活躍、ダメージの分散
数的有利な状況が作れると良いことづくめです。どんなに装甲の厚い車両も側面や背面であれば格下の中戦車から抜かれてしまいます。敵の隙をつくことでボトムTierの車両が活躍できます。
さらに、敵からのダメージを分散しやすいのもポイントです。よく最後に生き残った車両のHPがMAXという状況をみかけます。HPが半分しか残ってなくても1両よりも2両のほうが絶対に良いわけですから、これは効率の悪いダメージの受け方と言えるでしょう。レミングスの場合、ダメージを受けたら後方に引いてHPを温存しやすいです。

■敵の作戦を空振り
マップごとにセオリーがあって、高Tierの戦闘だと初動の立ち回りも似通ってきます。ただし、あくまでこれも初動にすぎません。セオリー通りに進軍したら敵がいなかったなんて場合は、チームのその後の動きがバラバラになりやすいです。相手が進軍してくるのを待ち伏せしようとする人、自分からガンガン攻めていこうとする人などに分かれがちです。
レミングスは各個撃破すると同時に、敵の作戦をスカ振りさせて足並みを乱す効果もあります。


当然ながらレミングスする際に気をつけないといけない点があります。

■狭い位置で渋滞
狭い場所に並んでしまうと渋滞を起こしてしまう可能性があります。こうなると後方の味方は有効な援護射撃ができず、数的有利な状況がまったくいかせません。また、味方同士でぶつかったり、後退をブロックしてしまったりが起こりやすいです。
レミングスとはいうものの、地形にあわせた距離を保つのも大切です。

■後方がついてこない
レミングスをしている側は数の少ない敵と接敵したら一気に叩くのが良いでしょう。ただ、接敵しても後ろに隠れたままでなかなか前に出ようとしない車両がでる場合もあります。最前線の車両は援護を期待して前にでますが、その期待は裏切られ、特攻のような形になってしまいます。
また最前線が押せないと、敵の別ルート部隊が援護にかけつけてやられてしまいます。万が一後方に回られてしまうと装甲が薄く、旋回のしづらい駆逐が餌食になってしまうことでしょう。

■ルーズプレイ
後方がまったく前線の動きに合わせてくれないのはありますが、その反対もあります。つまり足の遅い後方を置いてきぼりにして前線が進みすぎるパターンです。数的有利で相手の1〜2両を倒すとチームは勢いづきます。イケイケになってしまい慎重さを欠くとこうした状況に陥りがちです。イケイケで進んだ味方が敵の待ち伏せにあって撃破、せっかくの数的有利をチャラになんて話も珍しくありません。敵を倒したあとは勢いにのって射線が通りそうなところに飛び出さず、スポットが切れるのを待って慎重に残りの敵を倒すのが安全です。


以上、レミングスの強みと注意点についてまとめました。
個々のプレイヤーの質で負けていたとしても、レミングスは作戦勝ちに持ち込めることもあります。強みをいかして効率よく戦いましょう。ただし、全員で一緒に動いているからといって連携がとれていると錯覚しないような注意も必要です。
ラベル:レミングス
posted by ゾリ at 12:00| Comment(11) | WoT BLITZ入門 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月08日

戦績データの分析1.5(補足編)


前回の記事で戦績データを使ってちょっとした分析をしました。
その際、細かなところはわかる人にだけわかったら良いかと思い、いろいろと説明を省いていました。ただ、勝率の予測式だけがひとり歩きをして誤解を生んでいるようなので補足をしておきたいと思います。体系的な説明は難しいのでQ&A方式でまとめました。


Q.実際の勝率と予測式の勝率が大きくズレるんだけど?

A.
そもそも、この予測式は戦績のどの項目がどのくらい勝率に影響しているかを計算するためのものです。ですので、予測式からでた勝率は「真の勝率」でもなければ、「レーティング」でもありません。その点はまずご理解ください。
大きくズレる理由として、いくつか要因が考えられます。

 1 サンプリングの問題
 2 国・車種の偏り
 3 戦績にはあらわれない要素

まず、サンプリングの問題が大きいです。元となったデータは「戦績データ表示API」の「TOPランク」の項目から集めたものです。これには「Tier10を所持していて、かつ勝率50%以上、直近1ヶ月以内のプレイ」が条件になっています。また、ランクインしているプレイヤーというのもあって、平均勝率61.7%のデータです。なので、戦闘数が少なかったり、高Tierのプレイ数が少なかったり、勝率に差がありすぎると誤差も大きくなる可能性が高いです(実際の勝率が62%よりも高い人は低く予想されがちで、低い人は高く予想されがち)。

2つめに、国・車種の偏りが考えられます。車両ごとのデータではなく、個々のプレイヤーの全体戦績を使って分析をしています。そのため、ソ連専門やドイツ専門のように国を限定して開発していたり、中戦車専門や駆逐戦車専門のように車種が偏っていたりするとズレが大きくなると思われます。

上記の2点に当てはまらない場合は、数値にあらわれない貢献をしているかどうかになります。例えば、チャットでチームのメンバーを誘導したり、アシストダメージを稼いだり、おとり役をこなしたりといった点です。そうしたことをうまくこなせれば、きっと予測式ででた勝率よりも実際の勝率のほうが高くなるでしょう。

誤差が大きいといっても相対的なものなので、大きいのか小さいのか判断しかねると思います。元データで予測式と実際の勝率の誤差を計算したところ、平均が0(計算の性質上当然)、標準偏差が1.30となりました。誤差が±1.3%の範囲におさまる人が全体のおよそ70%、誤差が±2.54%の範囲におさまるのが全体の95%です。国や車種の偏りもなくさらに高Tierでのプレイ・戦闘数もじゅうぶんにあるとして、それでも±2.5%以上の誤差があるならば、数値にあらわれない貢献ができている/できていないと考えても良いと思います。


Q.結局、平均スポット数がいちばん大事なの?

A.
前回の説明は小隊勝利率や与ダメージ、平均スポット数のようにスケールの異なる尺度を一度に扱っていました。予測式では平均スポット数の係数が大きくなっていて、勝率には平均スポット数がいちばん大切なんだと思われたかもしれません。このあたり、私の説明不足です。各項目のスケールを統一して、勝率に対する影響力を数値化したもの(いわゆるt値)を下に紹介しておきます。

 小隊勝利率 12.50
 生還率 13.48
 命中率 2.44
 平均与ダメージ 16.34
 平均スポット数 11.30

この値が大きいほど勝率との関連が強いということになります。もっとも勝率に寄与しているのは平均与ダメージです。他の項目よりも頭ひとつ抜けていますね。小隊勝利率と生還率、平均スポット数はおおよそ同程度と言えそうです。他と比較して命中率はオマケ程度といった印象です。

もし勝率を上げたいと思ったら、与ダメージを上げるのがいちばんなのですが、なかなかそう簡単にはいかないと思います。上の5項目のなかでもっともプレイヤーが操作しやすいのは小隊勝利率です。相応の相手と小隊を組んでプレイすれば勝率も上がり、また同時に腕も磨かれていくことでしょう。それから、平均スポットも与ダメージに比べて少しの意識で上昇が狙える項目だと思います。平均スポット数を1上げるのは難しいですが、0.1や0.2上げることは不可能ではありません。無理をするのはよくありませんが、意識して取り組めば今よりも10戦に1両や2両多く敵を発見できると思います。勝率アップを目指す方はぜひ覚えておいてください。


Q.小隊を組めば他の項目も値が上がるんじゃないの?

A.
小隊を組むと他の項目ももちろん上がる可能性が高いです。ただ、前回の分析手法は各項目間の影響を考慮して計算されています。なので、生還率や与ダメージ、平均スポット数などと“独立して”小隊勝利率は勝率を上昇させます。その値が、小隊勝利率1%あたり、0.05%ということです。
もう少し噛み砕いて説明すると、生還率や命中率、平均与ダメージ、平均スポット数、平均Tierがまったく同じプレイヤーがいたとします。一方は小隊勝利率30%、他方は10%です。その際に、前者は後者よりも1%程度勝率が高くなるということです。もし、小隊を組んで他の項目も上がれば、その1%に上乗せで勝率にもっと差が出ることになります。
小隊相手にどのようなプレイヤーを選ぶのかというのも大事でしょうが、データにない以上分析しようがありませんので、そのあたりはなんとも言えません。


以上、誤解を生みそうなところに補足をしておきました。
本家WoTのレーティングもおそらく基本はこうした計算をもとにして作っていると思われます。もう少し当てはまりが良いように、項目によって非線形のモデルを導入したりいろいろと工夫をしてはいますが。
ラベル:戦績データ
posted by ゾリ at 11:00| Comment(2) | データを読む | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月03日

戦績データの分析1(基礎的分析編)


以前にレーティング関連の話をした際に、データの分析でもしてみようかなぁなんてことを言っていたと思います。問題はプレイヤーのデータをどう集めるかでした。やはり分析に耐えるサンプル数を揃えるのはかなり大変で、どうしようかと考えていました。それがようやく叶いそうです。

前の記事に紹介しているBlitzのAPIを利用したWebサイトからデータを拝借しました(データを自分で集める技術があれば良かったのですが(+_+) 「World of Tanks BLITZ 戦績データ表示API(アジア鯖限定)」の「TOPプレイヤー」のところから合計289サンプルを得て簡単ではありますが分析をしてみました。


統計的な補足をしておくと、勝率に対して戦績の各数値がどの程度影響を与えているかという分析です。いろんなモデルがありえるのですが、サンプル数も不十分ですし探索的な分析ということでシンプルな方法(回帰分析)を用いています。

説明変数は当初、以下の10つを考えていました。

 ・平均Tier
 ・戦闘数
 ・小隊勝利率
 ・生還率
 ・撃破比
 ・ダメ比
 ・命中率
 ・平均撃破数
 ・平均与ダメ
 ・平均スポット数

何も考えずに10つ全てを説明変数につっこんだところ、いくつか有意ではない項目がでました。それは「戦闘数」「撃破比」「ダメ比」「平均撃破数」の4つです。この結果からわかることは「戦闘数」が多いからといって勝率は高くない、「撃破比」「ダメ比」「平均撃破数」を稼いでいるからといって勝率が高いわけではないということです。戦闘数についてはそんなものかということでみなさん納得されると思います。後ろ3つに関しては、疑問に思う方もいるかもしれません。撃破比やダメ比は駆逐戦車でもっとも稼ぎやすく、中戦車では稼ぎにくいのが現実です。そのため、中戦車ばかりに乗っている、あるいは駆逐戦車専門のプレイヤーがいて、全体でみると「撃破比」「ダメ比」「平均撃破数」が勝率に直結しないのだと思われます。全員が同じ車両に乗っていれば意味のある項目になるでしょうが、全体でみれば「撃破比」「ダメ比」「平均撃破数」はあまり意味のない数字と言えます。


さて、補足もこれぐらいにして本題のほうへ移りましょう。サンプルも少ないですし、偏りのあるサンプリングにはなっていますが、基礎的分析ということでご容赦ください。自分の立ち回りや勝率アップを目指す際の参考になれば幸いです。


「勝率」に対して以下の6つの項目を説明変数として重回帰分析にかけました。その結果、次のような予測式が得られました。

 勝率 = -4.532*平均Tier
     + 0.052*小隊勝利率
     + 0.267*生還率
     + 0.061*命中率
     + 0.012*平均与ダメ
     + 3.847*平均スポット数
     + 50.099



誤差はありますが、それぞれの値を代入してやるとかなりの精度で自分の勝率が予測できると思います。
※乗っている車両の国や車種が偏っていると誤差が大きくなる傾向がありそうです。

この式の解説をしておきます。最後の50.099は基準(切片)になる値で数値自体に意味はありません。問題は各項目の係数です。ただし、命中率は他の項目と比べて非常に影響が小さいので、これは参考程度で構わないでしょう。

平均Tierが1つ上がるごとに勝率は約-4.5%です。分析の特性上、他の項目が同じときに平均Tierがどのような影響を与えるかという意味になっています。与ダメや命中率はTierが上がるごとに上がっていくのが普通なので、それが同じなのであれば平均Tierの低いほうがより勝率が高い(=活躍している)ということになります。あまり難しく考えずに、WN7でも扱われていた平均Tierのペナルティみたいなもんだとお考えください。

小隊勝利率が1%上がるごとに勝率は約0.05%ほど伸びるようです。小隊を組んでいる相手を考慮していないため詳細な言及は避けますが、大まかに言えば小隊勝利率10%と0%のプレイヤーを比較すると勝率が0.5%ほど変わるという意味です。もちろん他の項目が同じ値(=同じような活躍度合い)であったとしてもの話です。小隊を組むことは他の項目と独立して勝率を上昇させる効果があると言えます。

生還率が1%上がると勝率は約0.27%ほど伸びるようです。中戦車と重戦車の乗り分けもありますし、思ったほど勝率に直接的な影響はありませんでした。もちろん生き残る粘り強さが勝利を呼び込むということには違いはありません。

平均与ダメが1上がるごとに0.012%ほど勝率が上がります。他の項目の数値が同じであったとしての話ですので、与ダメを稼げば勝率もあがるという当然と言えば当然の結果です。

平均スポット数は1上がるごとに勝率が3.847%上がります。私の実感でもありますが、上手なプレイヤーはスポットをとるのが本当にうまいです。もちろん下手な人は発見だけしてすぐにやられてしまうわけですが、彼らはスポットをとりつつもしっかり生き残って、与ダメも稼いでいきます。例えば、ある車両で平均スポット数が2のプレイヤーと2.5のプレイヤーがいるとします。与ダメや生還率など他の項目で差がなかったとしても、最終的な勝率は2%ほど差がでるようです。スポットをとることの重要さが数値にもでていると思います。


以上、限定的ではありますがBlitzの戦績データを使って簡単な分析をしてみました。どんな車両にのっているのか(車種・国など)をデータに組み込めばもう少し細かな分析もできると思いますが、サンプル数も少ないので今回はこのへんで。
ラベル:戦績データ
posted by ゾリ at 22:00| Comment(4) | データを読む | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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