2015年03月03日

戦績データの分析1(基礎的分析編)


以前にレーティング関連の話をした際に、データの分析でもしてみようかなぁなんてことを言っていたと思います。問題はプレイヤーのデータをどう集めるかでした。やはり分析に耐えるサンプル数を揃えるのはかなり大変で、どうしようかと考えていました。それがようやく叶いそうです。

前の記事に紹介しているBlitzのAPIを利用したWebサイトからデータを拝借しました(データを自分で集める技術があれば良かったのですが(+_+) 「World of Tanks BLITZ 戦績データ表示API(アジア鯖限定)」の「TOPプレイヤー」のところから合計289サンプルを得て簡単ではありますが分析をしてみました。


統計的な補足をしておくと、勝率に対して戦績の各数値がどの程度影響を与えているかという分析です。いろんなモデルがありえるのですが、サンプル数も不十分ですし探索的な分析ということでシンプルな方法(回帰分析)を用いています。

説明変数は当初、以下の10つを考えていました。

 ・平均Tier
 ・戦闘数
 ・小隊勝利率
 ・生還率
 ・撃破比
 ・ダメ比
 ・命中率
 ・平均撃破数
 ・平均与ダメ
 ・平均スポット数

何も考えずに10つ全てを説明変数につっこんだところ、いくつか有意ではない項目がでました。それは「戦闘数」「撃破比」「ダメ比」「平均撃破数」の4つです。この結果からわかることは「戦闘数」が多いからといって勝率は高くない、「撃破比」「ダメ比」「平均撃破数」を稼いでいるからといって勝率が高いわけではないということです。戦闘数についてはそんなものかということでみなさん納得されると思います。後ろ3つに関しては、疑問に思う方もいるかもしれません。撃破比やダメ比は駆逐戦車でもっとも稼ぎやすく、中戦車では稼ぎにくいのが現実です。そのため、中戦車ばかりに乗っている、あるいは駆逐戦車専門のプレイヤーがいて、全体でみると「撃破比」「ダメ比」「平均撃破数」が勝率に直結しないのだと思われます。全員が同じ車両に乗っていれば意味のある項目になるでしょうが、全体でみれば「撃破比」「ダメ比」「平均撃破数」はあまり意味のない数字と言えます。


さて、補足もこれぐらいにして本題のほうへ移りましょう。サンプルも少ないですし、偏りのあるサンプリングにはなっていますが、基礎的分析ということでご容赦ください。自分の立ち回りや勝率アップを目指す際の参考になれば幸いです。


「勝率」に対して以下の6つの項目を説明変数として重回帰分析にかけました。その結果、次のような予測式が得られました。

 勝率 = -4.532*平均Tier
     + 0.052*小隊勝利率
     + 0.267*生還率
     + 0.061*命中率
     + 0.012*平均与ダメ
     + 3.847*平均スポット数
     + 50.099



誤差はありますが、それぞれの値を代入してやるとかなりの精度で自分の勝率が予測できると思います。
※乗っている車両の国や車種が偏っていると誤差が大きくなる傾向がありそうです。

この式の解説をしておきます。最後の50.099は基準(切片)になる値で数値自体に意味はありません。問題は各項目の係数です。ただし、命中率は他の項目と比べて非常に影響が小さいので、これは参考程度で構わないでしょう。

平均Tierが1つ上がるごとに勝率は約-4.5%です。分析の特性上、他の項目が同じときに平均Tierがどのような影響を与えるかという意味になっています。与ダメや命中率はTierが上がるごとに上がっていくのが普通なので、それが同じなのであれば平均Tierの低いほうがより勝率が高い(=活躍している)ということになります。あまり難しく考えずに、WN7でも扱われていた平均Tierのペナルティみたいなもんだとお考えください。

小隊勝利率が1%上がるごとに勝率は約0.05%ほど伸びるようです。小隊を組んでいる相手を考慮していないため詳細な言及は避けますが、大まかに言えば小隊勝利率10%と0%のプレイヤーを比較すると勝率が0.5%ほど変わるという意味です。もちろん他の項目が同じ値(=同じような活躍度合い)であったとしてもの話です。小隊を組むことは他の項目と独立して勝率を上昇させる効果があると言えます。

生還率が1%上がると勝率は約0.27%ほど伸びるようです。中戦車と重戦車の乗り分けもありますし、思ったほど勝率に直接的な影響はありませんでした。もちろん生き残る粘り強さが勝利を呼び込むということには違いはありません。

平均与ダメが1上がるごとに0.012%ほど勝率が上がります。他の項目の数値が同じであったとしての話ですので、与ダメを稼げば勝率もあがるという当然と言えば当然の結果です。

平均スポット数は1上がるごとに勝率が3.847%上がります。私の実感でもありますが、上手なプレイヤーはスポットをとるのが本当にうまいです。もちろん下手な人は発見だけしてすぐにやられてしまうわけですが、彼らはスポットをとりつつもしっかり生き残って、与ダメも稼いでいきます。例えば、ある車両で平均スポット数が2のプレイヤーと2.5のプレイヤーがいるとします。与ダメや生還率など他の項目で差がなかったとしても、最終的な勝率は2%ほど差がでるようです。スポットをとることの重要さが数値にもでていると思います。


以上、限定的ではありますがBlitzの戦績データを使って簡単な分析をしてみました。どんな車両にのっているのか(車種・国など)をデータに組み込めばもう少し細かな分析もできると思いますが、サンプル数も少ないので今回はこのへんで。
タグ:戦績データ
posted by ゾリ at 22:00| Comment(4) | データを読む | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
更新ありがとうございます。ヨッ待ってました!

大変興味深く読ませていただきました。
なるほどなるほど。
戦車の役割がそれぞれ異なるからダメージや撃破数は
それほど気にするべきではないということですか。
重戦車ならダメージや撃破も役割の一つではありますが、
前線で壁になるほうが勝利への貢献度が高い場合もある、ということですよね?
戦績を気にして撃破を稼ぎに行っている最近の自分を改めようと思います。笑

1ということは次もあるのでしょうか。今後の更新も期待です。
Posted by coop at 2015年03月03日 21:31
おおぉ多変量解析(ノ゚听)ノ
ソリさんスパコンお持ちでしたかっ!・・・

っと時代錯誤に取り乱してしまいました(汗)
凄い凄いとは思ってましたが本当にゴイスー!

しかーっし、ワタクシは論理を超えるオトコなので
試算したところ勝率が実際より3%ほど高く出ました
日ごろコソ〜リ思っていた「マッチング運の悪さ」
が証明されたと人知れず小躍り中デス。
あぁいいんですソリさん。みなまで仰らないでください
そっと小躍りさせて置いてください・・・・

100人いれば98人ぐらいがマッチング運を嘆くこのゲーム
「マッチング運指数」を開発すれば話題になるなと思う
今日この頃です。

すばらしい研究成果ありがとうございます
今度からブログのタイトルを「world of tanks blitz研究所」としてソリ教授を名乗られたら良いなぁと思う今日この頃であります


Posted by sanpox at 2015年03月04日 10:26
興味深い分析をありがとうございます。
平均スポット数の影響が他と桁違いですね。スポットがいかに大事かがわかり、大変参考になりました。
一方、与ダメの影響はもっとあってもいいような気がします。平均Tierと強く相関するでしょうから、うまく標準化できればより良くなるのではと思いました。

続編を楽しみにしています(^^)/
Posted by stephen at 2015年03月07日 16:33
>>coopさん
撃破比やダメ比は車両ごとに見れば役に立つのですが、乗っている車種の違いもあって全体の戦績ではあまり参考にはなりませんね。個人成績はひとつのモチベーションにはうってつけですが、やみくもに数値上昇を目指すよりも、勝率と関連の強い項目を上げていったほうが自然かなと思います(*^_^*)


>>散歩さん
パンチカードに穴をあけていた時代もあったと聞きますが、今考えると恐ろしい時代ですね!

「マッチング運指数」面白いですね(笑)
半分ネタにはなりそうですが、話がはずむ指標としては最適だと思います(=^・^=)


>>stephenさん
標準化した値はもういっかということで端折っていましたが、新しく補足記事を書いてまとめておきました。あくまで与ダメがいちばん重要で、続いて小隊勝利率や生還率、平均スポット数が同程度で大事だという感じです。
Posted by zoli at 2015年03月08日 12:00
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。